2013年5月31日金曜日

法律7600号(ビデオ編)

先日のバリアフリーチェックを取材した地元テレビカナル14のビデオがYoutubeにあがってるので、のっけておきます。 カルロス(アギラール)こんなときだけはちゃんと話すんですよね−。

2013年5月29日水曜日

法律7600号



こんにちは。今日5月29日はコスタリカの障害者にとって特別な日です。17年前1996年に法律7600号といって、障害者であってもそれ以外の人と同じように、社会のあらゆる活動に参加できることを定めた機会均等法ができた日なんですね。この法律のおかげで、とくにコスタリカではバリアフリーの面ではなかり進んでいると思います。バスにはリフトが備えられているし、リフト付きのタクシーがふつうに町を流しているので、この点に関してはいまだにいちいち予約をしないといけない日本よりもずっと動きやすい町であると感じられます。

日本では、乙武くんが2階にあるレストランに入店を拒否されたことが問題になっていましたが、コスタリカではこの法律があるおかげで、もしその店主が裁判を起こされたら確実に負ける仕組みになっています。ただ、この法律どおり町のすべてが整備されているかといえば、そうではまったくなくて、市役所からして2階には上がれないようになっているし、実態は残念ながら絵に描いた餅になってしまっています。

この法律を武器に闘おうという人もほとんどいないので、理想的に社会が変わって行っているとは言いがたいです。ただ法律があるというのは本当に大事で、それを武器に社会を変えてやろうと思えば変わるんですね。ここペレスセレドンではほぼすべてのバスにリフトがついているのですが、ちゃんと付きだしたのは5〜6年ほど前からでそれは、アイーダやカルロス(アギラール)、ジゼルなどモルフォの前身にあたる活動をしていた人たちが、少しずつ行政やバス会社に訴えてきたから今こうしてきっちり整備されているというわけです。

というわけで、毎年この5月29日には啓発の意味も込めて色々活動をやっています。去年は町をデモしてアピールをしたのですが、今年は交通警察と協力して、バスが規定どおり、リフトを付けてしかもきっちり作動し、スペースなどが確保できているかをチェックしました。

警察の人も地元テレビの美人アナウンサーからインタビュー。


朝、もうメインストリーム協会の人たちにもおなじみになってるメルカードにあるバスターミナルに行くとすでに警察に人たちは、チェックを始めていました。担当に人に代表のルイスエルナンが話しに行くと、「きみらといっしょにやるなんておれは聞いてないんだけどな」とコスタリカらしい一言。数日前に交通警察の人が来て打合せもしたので、そんなはずはないのですが、まあ、こうしたことはコスタリカの役所ではよくあることで誰も驚かず。














バスにはよく乗るので、なんとなくリフトがついているとか、どんな風だとかは知ってるつもりだったのですが、今回改めて色んなバスを見る機会になりました。上の写真のようにかなり古いバスにもちゃんとリフトがついているのを知って、やはりすごいなーと思いました。

今日はモルフォを中心とした、この町の障害者全体の活動なので、日本で研修したカルロス(アギラール)やアイーダ、ホセ・アントニオ、ジョバンニ、アルフォンソなど、モルフォのメンバー以外もいっしょに活動しています。アイーダは自分の家のあるココリ行きのバスを熱心にチェックしています。

















かなりの台数のバスを手分けしてチェックして、ほんとにほぼみんなきっちりリフトが作動していたのですが、中に一台リフトがでないバスがあり、チェックしてると急にいなくなったので、みんなで「逃げたのか?」って言ってると、なんと急遽修理して戻ってきました。担当者が、うちのバスはほとんどの路線でみんなちゃんとリフトついてるんだって説明してたので、たまたまチェックしたやつが動かなかったので、腹立ったんでしょうね。

「うちはちゃんとやってるんだからさー。明日にでも来てくれてもいいよ」














今日のイベントでよかったのは、ほんとに色んな人を巻き込んでやることがでしたことでしょうか。写真の子供を抱いてるのはモニカさん。大学でソーシャルワーカーの勉強をしていて、実習で団体の評価をやりたいというので、モルフォを実習先に選んでくれました。来週から週に何回か事務所に来ることになっています。他にも、先日の介助者研修で実際に仕事を始めたのは、男性1名だけなので、それ以外の人からボランティアを募って来てもらったりしながら関わりを保っています。




タイガーもずっとついてきた












あっ!休みのステファニーがたまたま乗ってた!

Gracias!!



2013年5月27日月曜日

揺れた!


こんにちは。週が明けたコスタリカです。
お休みのきのう、お腹が減ったのでおやつにクレープ作って食べました。日本にいるときよりちゃんとごはん作る時間があるので、いいですよ、こちらの生活も。

さて、今朝3時過ぎ頃けっこう大きな地震がありました。カリブ海側のリモンという町の近くが震源だったのですが、日本でこの間あった淡路の地震を思い出してちょっと怖かったですね。

出勤したらみんなで一揃いそんな話で盛り上がってました。ジゼルは自分はびっくりして起きたけど、マイノルはこんな顔して眠ったままだったと説明しています。




さて、今日はちょっと大事な日でした。コンセホというぼくらの活動をずっと支援してきてくれた行政機関の理事会にぼくらの活動に反対している人が何人かいるのですが、その人たちが、モルフォのメンバーがもらっている補助金は規則外に支払われているもので、問題があると、ペレスセレドン支部長のマルコスさんを訴えているのです。今日は補助金をもらっているモルフォのメンバーも呼ばれて、第三者機関によって聞き取りが行われています。もう事務所を閉める時間ですが、そろそろ聞き取り終わったメンバーから帰ってきているところです。また詳しいことがわかったらお知らせしますね。

2013年5月21日火曜日

コスタリカ初のピアカン


こんにちは。コスタリカは5月21日の朝です。昨日午後たくさん雨が降って今朝はやや爽やかな天気です。事務所も今日はお休みの人が多く静かな一日となっています。

さて、昨日はコスタリカの自立生活運動にとって記念すべき一日でした。昨年夏に日本に行ってピアカウンセリングの講師になる研修を受けたスサーナとジゼルがやっとそれを実践で行うことになったんですね。このプロジェクトもやった地に足が着いた活動を少しずつできるようになってきました。

ここまで来るには、何年もかかって色んな人の助けを借りながらでした。まず2008年から始まった日本での研修で最初のピアカンの研修をしてくれたのは東京のヒューマンケアセンターの人たちでした。2010年からはメインストリーム協会で独自にやるようになり、2011年2月にはリングリングの中尾さんとあるるの安原さんがこちらまで来て、講座を開いてくれました。

こうしてピアカンそのものにはみんな少しずつ馴染んで来ていたのですが、本格的にこちらで広めようと思ったら、講座のリーダーになる人が必要ということで、草の根のプロジェクトでは、まず優先的にリーダーの養成を活動に加えました。

そうして昨年夏に一月間みっちり研修を受けて帰ってきたのが、スサーナとジゼルなんですね。














昨年帰ってきたときにすぐに色々やりたくてうずうずしてたと思うのですが、事務所の運営をきっちり軌道に乗せるのがプロジェクト的には優先順位が高く、なかなかピアカウンセリングを進めていくことはできませんでしたが、今年は相談業務やピアカンなど地元できっちり障害者のサポートをしていこうというのが目標でもあるのでこうしてめでたく開催することができました。

例によって健常者は中に入れないので、写真はみんな休憩中のものです。ぼくは土曜日に事務所にふらっときた脳性麻痺の男の子が介助が必要ということで、一日外で待機していました。こうした暇な時間もなんだか、ちゃんと活動してる中の一部なんだと思えて幸せでした。














今回は地元ペレスセレドンの障害者に向けてのものでした。今後サンホセに行ってまた開催する予定にしています。日本で最初に研修を受けたアイーダも来てました。ちょっと写真を取り忘れたんですが、ハナも参加していてかなり感動していたとスサーナが話してました。

午後からお決まりのような雨が降ってきて、4時に終わってみんなが帰る頃にはもの凄い降りようでタクシーを手配したりしていると余韻にも浸っている間もなくみな解散していきました。歴史に残る一日だったのにな〜と後で思い返していたのですが、こうして普通に終わるのもこうした活動が特別なものでなくなってきた証拠ですね。

雨がとっても気持ちいい

2013年5月19日日曜日

今週のモルフォ(5月11日〜18日)


おはようございます。コスタリカは日曜の朝です。こちらはすっかり雨期に入って、午後になるともの凄い雨が降ります。雨があった後は気温が下がるので、何かちょっと羽織りたくなるくらいです。

上の写真は通勤途中に咲いていた道ばたの花。世界の全動植物種の5%がコスタリカに存在するそうで、蝶類にかぎると10%、これはアフリカのすべての種類より多いらしいので、この小さな国であることを考えるとすごいことですね。さっきも宿の裏を少し探索しているとふつうにイグアナみたいなのが歩いていてびっくりしました。

さて、先週の10日にIMASのロイ氏との会談を終えた翌日サンホセのメンバーは帰っていきました。彼らはパーティー好きなので夜遅く、ゆっくり目の朝食。後片付けもほどほどにあわててタクシーに乗ってバス停まで。




月曜日は、提案書の準備などでモルフォが忙しかったので、一週間遅れで地元の障害者グループとの会議。カルロス(アギラール)やジョナタン、聴覚障害のアルバロ、ヌーリアなど変わらぬメンバーに初めて見る顔も何人か。実質障害者の相談に乗ってくれるところはここしかないので、いつも賑わっています。障害者の問題と言っても自立生活だけではないので、就労も問題や障害の程度によって色々なニーズがあります。就労の問題を中心に考える別団体を作るという話もあり、そうしたグループとどう揉めることなく連携が取れるかがモルフォではひとつテーマになっています。






















ペレスセレドンでも、モルフォがあるこの中心街はサンイシドロという町になるのですが、水曜日はこのサンイシドロという聖人のお祭りということで、休日でした。お昼頃には大通りを馬に乗った人たちがパレードしていました。



この日はジゼルの誕生日でもあったのですが、翌日のお昼ご飯に合わせてみんなでお祝い。翌金曜日がフランクの奥さんカレンさんの誕生日でもあったので、合わせていっしょに。

誕生日のキッス


フランクの子供たちも



















金曜日。ぼくとフランクが日本とスカイプをつないで会計関係の長い会議をやっている間、ナシオンというこちらでは有名な新聞が取材に来ていました。記事が出たらまたお知らせしようと思います。一週間の締めは先週のロイ氏訪問とそれまでの準備の反省会。サンホセメンバーとの共同作業がみんなよかったと言っていたのがよかったですね。ちゃんと批判するところは率直に批判していい会議だったと思いました。














ちょっと照れてるのがかわいい。カテリン。


バモス

2013年5月10日金曜日

IMASロイ・バルガス氏来所

一仕事終わってみんなで記念撮影!

こんばんは。コスタリカは今金曜日の夜7時を回ったところです。日本から来た佐藤・柳瀬の研修チームを見送った直後から始まったIMAS(社会保険庁)への提案書づくりを終え、今日は総裁アドバイザーのロイ・バルガス氏がモルフォに視察に来ました。

みんなこの日を目処に毎日遅くまで作業をつづけてきたので、ホッとしたのと同時にどっと疲れも来ているところです。モルフォのメンバーはすでにそれぞれ家に帰り、事務所には明日帰るサンホセのメンバーが残っているだけです。

今日はロイさんが来るだけでなく、サンホセの北にある町エレディアにあるナショナル大学の学生さんが見学に来るという予定にも重なっていて、みんなで話し合った結果この二つの予定をドッキングさせて、ロイさんへのプレゼンを学生さんにも見てもらおうということになりました。そうすれば、ぼくらの活動がすでに色んなところで関心を惹いていて広がって行っているということがロイさんにも伝わるだろという意図もありました。

まず、朝8時半頃事務所に着いたロイさんに簡単にここのメンバーの生活について話し、ルイス・エルナンとマイノルの家をみてもらいました。そしてそのままナショナル大学ペレスセレドン校へ移動。そこへエレディアから来た学生を迎えて2時間ぼくらが今回IMASに提案してる自立生活のプログラムについて説明しました。















昼食を挟んで午後は、ロイ氏にもう少し具体的に細かい点までぼくらがやろうとしていることを説明していきました。


今日一日を通して、概ねロイ氏にはぼくらの活動は好印象を残していたと思います。もともとフェルナンド・マリン総裁の一声で始まったこのプロジェクトなので、ロイ氏は事務方としてこれを現実ベースに乗せていく役目を担っています。ぼくらの提案をコスタリカの法的な枠組みとIMASでの事業としての枠組みとでどう実現していくかが、これからぼくらとロイ氏との仕事になっています。

提案書は結果的に100ページを超えるものになり、今日ロイ氏はそれを持ち帰りました。部分的に説明したことに関して今日話したことはだいたい以下のようなものでした。

・介助者はセンターが雇う形にしてちゃんと社会保険を完備したものにしなくてはならない。
・介助料は各利用者に宛ててのものになるが、それを一括してセンターが受け取ってマネージメントすることは可能。その後どういう風に使うかにはIMASはタッチしない(IMASは興味がないという表現をしてました。いったん降りた補助金なので)。
・ぼくらが提案した1時間2500〜3000コロンの単価は合理的な値段だと思う。
・プロジェクトにするには、まずIMASの理事会の承認を得なくてはならない。半月後を目処に理事会と連絡を取る。
・IMASの職員約50名にも障害者に対する意識変化を目的とした研修をする。
・全国的な規模でやれるかどうかは現時点ではまだわからない。来年ある選挙の結果にも関わるので不透明。今言えるのは、ペレスセレドンでまず始める。サンホセまでやれるかは検討する。

最後に、これから一緒に協力してやっていくことを記した覚え書きにロイ氏とマイノルがサインして終わったのですが、これにはあまり法的な根拠のあるものではなさそうです。

こうして、コスタリカにおける公的資金による介助派遣への第一歩を踏み出したわけですが、ほんとにまだ踏み出しただけで、どこまでたどり着けるかはまったくわからない状態です。しかし、ここに向けてモルフォとサンホセのメンバーが協力して仕事ができたことがこれからのコスタリカの自立生活運動にとても大きな力を与えてくれたと思います。


とくに、提案書の仕上げを任せられた、スサーナ、ウェンディ、カルラ、サンホセにいながら手伝ってくれたダマリスさんの間にはかなりしっかりした信頼関係が築けたと思います。

今月27日には、サンホセでのコンセホ代表とのミーティングもありこれにもペレセレドン、サンホセのメンバーが協力して臨みます。今日何より嬉しかったのは、国レベルのかなり強力な障害者グループができたことを実感できたことでした。(いのうえ)

2013年5月3日金曜日

草案ワークショップ4日目


こんにちは。コスタリカは金曜日。今日が終わると週末でちょっとホッとできます。後数時間でコスタリカには、オバマ大統領が来るので首都はたいへんな警戒になっていますが、ここペレスセレドンはいつもどおりのどかで平和なものです。

写真は昨日の夕方。一雨降ったあと虹だ出ていました。昨日のワークショップ3日目は、みんなでセンターの活動に必要な支出をみんなで出し合って大まかな運営費を計算し、それをもとにIMASに要求する単価を決めて行きました。都市部の価格と地方の価格、時間数が短い介助者に払う給料、長い時間働く介助者に払う給料、何通りかパターンを示しながらシミュレーションしていきます。



















ぼくらがまずやりたいことは介助制度を作ることなので、今週は祭日を挟んで三日間、まず介助派遣に関することを優先して議論して来ましたが、これは実際の自立生活センターの業務の一部。今朝からは、それを確認し直してセンターの他の業務をきっちり説明できるようにみんなでそれを文章化しているところです。

右はボランティアで来てくれてるヤハイラちゃん。かわいいです。

サンホセのメンバーは今日でいったん帰ります。火曜日に再び集まって金曜日のロイ氏の訪問までみんなで作業することに決めました。みんなほんとがんばってるので、仮に今回これが通らなくても別にいいかなーって思えるくらいです。(いのうえ)

2013年5月1日水曜日

草案ワークショップ2日目


こんにちは。コスタリカは現在5月1日の朝。今日はメーデーで休日です。週明けからつづいたIMAS提出用の草案づくりも今日は一休みです。

一昨日は自立生活運動の理念的なことをみんなで意見を出し合って考えました。昨日はそれをグループに分かれて草案に纏めたものをまずプロジェクターで映しながらみんなでチェックするところから始まりました。

午後からは具体的などんなサービスにしていくかを、またPCMの手法を使いながらみんなで作業していきます。



実際にどんな単価でやるかを決める段階になると、みんな現在の規模くらいのセンターしかイメージできず、根拠もなくそれぞれ勝手な数字を言って収拾がつかなくなってきたので、フランクがアンドレスに頼んで、利用者がもっと増えたら収入がどうなるか、単価が上がったり下がったりしたらどれがどう変わってくるかなどをシミュレーションしてみんなに説明してもらいました。

アンドレスは今年に入ってから3月までコーディネーターとして事務所の仕事を手伝っていて、会計のジゼルの仕事の補佐もやっていたらしいです。こうしてそれぞれの才能が発揮できるようになると本人も楽しいし、センターももって強力になっていきますね。

熱弁ふるうマタモロスくん

昨日も朝から夜8時頃からずっとつづけて作業していたのですが、さすがにみんなエネルギー切れ、アンドレスのシミュレーションを元にみんなそれぞれ考えてくることにして、木曜日にリフレッシュして議論することになりました。

終わった後はビール飲んでだらだら。