2015年12月7日月曜日

コロンビア出張編(7)介助者研修


こんにちは。今ぼくはコロンビアの首都ボゴタにいます。9月に来たばかりなのですが、3ヶ月開けてまた来ました。

今回の目的は、12月3日の国際障害者の日にあわせてボゴタのグループが何かやると聞いていたのでそれをちょっと見たかったのと、前回うまく予定が合わなくて会えなかったここにいる友だちに会うこと。それとせっかくなのでまたメデジンに行って奥平さんに会って帰ろうかなって思っていました。

先月計画を立て始めた頃奥平さんにご都合を伺ったところお忙しそうだったので、今回はメデジンを訪問するのは諦めました。それでも飛行機は一週間の滞在ですでに押さえてあるし、アイデーのグループと会って、タチアナと会ってもぜんぜん時間あるしどうするかな?って思ったんですが、思いついて介助者研修でもやることにしました。

このブログはここで終わっている一連のコロンビア出張編のつづきになるので前回あったことは遡って振り返ってほしいのですが、ボゴタでグループを作ろうとしているアイデーにそのアイデアを話したらぜひやりたいということだったので、その日からメッセージをやり取りしながら計画を具体的にし始めました。

アイデーはすでにウェンディからモルフォで使っている介助関係の資料は全部もらっていたので、その中から参加者に配ってほしいものを言って印刷してもらうようにしました。



ぼくも日本を出る前は、コーヒーを輸入する準備をしながら出発の準備とちょっとばたばたしていたので、飛行機の中でイメージを作りながら最終的にはペレスからサンホセに行くバスで2日間の研修のプログラムを作ってアイデーに送りました。上の写真は、研修の前日3日の日にアイデー宅に行って打ち合わせをしたときの写真で、彼女は研修の修了書を作成中でした。3日にやると言っていた活動は結局他のメンバーとうまく話が纏まらずやらず仕舞いでした。フリアン、ファニー、エレーナという他の理事会メンバーがほとんど活動に参加しないのが、現在アイデーの悩みでもありこのグループの問題でもあります。

エレナさん自分史














介助者研修ですが、本来は最初に障害者のメンバーが行って、自立生活運動の理念を伝えた後それを補完するような位置づけでやるものだと思うので、その順序が前後するのが気になっていました。自立生活運動がどうやって始まって日本や世界に拡がったか、自立生活センターとはどういうものかなどはどうしてもぼくがある程度説明せざるを得ないので、その他の部分はできるだけアイデーがリーダーシップを取って、一般的な介助者研修ではなく彼女が自分や自分の障害のことを考えて、自分自身の介助者を研修することを目的にするような感じでやってほしいことをまず繰り返して伝えました。プログラムは2日間でこんな感じでやることにしました。

1日目
1)アイデーの挨拶
2)タケシ自立生活運動の歴史、日本とコスタリカやボリビアの経験、自立生活センターの役割
3)エレナ(理事の一人ポリオ)の人生と障害について
4)アイデー(代表脳性麻痺)の人生と障害について、コロンビアの障害者の実体について
5)アイデーの介助に焦点を当てた介助者研修

2日目
1)フリアン(副代表頸椎損傷5番)の人生と障害について
2)ファニー(理事の一人視覚障害、病院のケースワーカー)の人生と障害について
3)車椅子研修と視覚障害体験
4)フリアン障害者の権利条約とコロンビアの批准と実体
終了



エレナさんは活動家というよりは、近所に住む障害者のおばちゃんという感じの人なので、自己紹介をしているだけみたいだったですが、アイデーの話しは上手だったです。木村さんと同じように絵を描く障害者で、それでスペインに留学した話しや、そこで知り合った男の子と恋に落ちて男の子がコロンビアまで追っかけてきたこと、最終的にそれに破れたことが、自立生活運動をやりたいというのに繋がっていて面白かったです。


















講義の部分も質問がいっぱい出てよかったのですが、実習の方がこういうのがみんな初めてだったのか、めちゃくちゃ盛りあがってました。研修というにはどれだけ技術が伝わったか分からないですが、最低限腰を痛めないコツはわかってくれたのではないかと思います。


フリアンは初日は大学で用事があって2日目からの参加、ファニーはさらに遅れて2日目の午後からでした。

2日目はフリアンの話しから始まったのですが、フリアンも障害者になって変わったことや障害者の生活がどんなのかをとても上手に話していたと思いました。今は大学院にいて自立生活運動のことを修士論文で書いているらしいですが、アイデーの活動にあまり関わらないのにどうやって論文だけ書くのだろうと疑問に思いながらも、こういう人がちゃんと関わってくれるといいのになとも思っていました。

ほんとうはこの後ファニーの話しを聞いてからみんなで外に出て実習するはずだったのですが、ファニーがなかなか来ないので、みんなで向かいに行きつつ実習に入ることにしました。


無事合流して、フリアンを押す人、車椅子に乗ってみる人、視覚障害を体験する人、視覚障害者を介助する人をそれぞれ体験しながら、アイデーのアパート付近を一周。ファニーの話しとフリアンの権利条約の話しは途中の公園でやることになりました。その後アイデー宅に帰りみんなの感想を聞いて、修了証を渡して無事終了。


昨日も反省会がてらアイデーの家に行って話をして来たのですが、ぼく自身はとても楽しかったしやってよかったと思いました。アイデーもそうなのですがフリアンやファニーがあまり関わってくれなかったのが不満なようでした。

あまり彼らに固執する必要はないのではということは常日頃アイデーには言っているのですが、そうしてしまう気持ちも分からないでもなく、それでも今回の参加者の反応はよくこれからも何かあれば声を掛ければ来てくれそうだったので、もうこんかい研修に来てくれた人と資金集めに何か作って売ったりして活動をはじめればいいんじゃないかということなんかを話していました。ぼくとしてもちょっと種は蒔けた感じはするので、うまく育ててくれるといいかな〜と思います。

今回の参加者は母娘で参加していたのが4組ありました。忘れないようにここに記録しておきますね。
いつもアイデーの活動を手伝ってくれている、ナンシーさんと娘さんのカロリーナ、モニカさんと娘さんのパウラ、マリアさんと娘さんのアレハンドラ、アナさんと娘さんは小さく1日目だけだったのでちょっと名前は忘れちゃいました。娘さんたちは大学生や高校生なのでうまく今後も関わってくれると嬉しいですね。

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